善防池(両月町) 〜人々の営み伝える古墳〜
善防池は貯水量21万8千立方メートル。善防古墳と善防池遺跡はいずれも市教委が1994年度に発掘調査した。古墳は直径19メートルの円墳と推定され、遺跡からは鎌倉時代の土師(はじ)器なども発見されている。
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春めいた陽光に誘われ、木立の中、車を走らせると、ため池と“島”が目に飛び込んできた。池の中ほどにあり、生い茂る木々は青や緑に淡く輝く水面から突き出たようにも見え、好奇心をそそられる。 謎の島の正体は古墳。善防古墳という名で、横穴式石室を持ち六世紀ごろに造られたと推測されている。付近の善防池遺跡からは、旧石器時代と縄文時代の石器、鎌倉時代とみられる建物跡も確認されている。 誰の古墳かなど、詳しいことは分かっていないが、太古からこの地で確かに人々の営みがあったことを物語っている。 「今に至るまで古墳が残されたことが不思議です」。調査にあたった加西市教育委員会の森幸三さん(48)は語る。いつの時代か、池が造られた際も、壊されずに生き延びてきた。 水があるため、古墳には近づけない。だが、池にはハイキングの市民らが訪れ、水際から古代の生活に思いをはせている。 加西市内に約九百あるため池。それらは田畑を潤すだけでなく、季節が変わるごとに思いがけない恵みをもたらす。加西で暮らす今、その存在の大きさを実感している。 (記事・佐藤由里) (撮影・吉田敦史) |
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