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五百羅漢 〜親の顔が見たけりゃ北条の五百羅漢にござれ・・・〜


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いつだれがなんのために作ったかもわからない五百羅漢。それに答えうる史実も、資料も、確かな言い伝えも、何一つとして存在していないのです。石彫の手法としては、きわめて拙く、それゆえに、素朴さを愛し、何か郷愁めいたあこがれをさえもって、人々はその真実を探ろうとするのですが、訴えるような眸を見せて、この石仏たちは、黙々として何事をも語ろうとはしません。この石仏の謎は、あるいは永遠の謎であるのかもしれません。しかし、それでよいのだとも思います。

もともと、石仏を造立することは、亡き先霊を弔う純粋な信仰心の表れであります。この石仏群にしても、何百年かの昔、戦争か飢餓かで無残な死を遂げた人がたくさんあって、それを当時の縁故の人、もしくは篤信の人々がやむにやまれぬ信仰心の発露から、これらを造立して、その惨死者たちの霊を追弔、供養したものと考えるの単純すぎるでしょうか。
彫技はたとえ稚拙たりとは言え、石仏五百を造立するために、そこに込められた、哀しくも美しく澄んだ信仰心に思いを馳せる時、しんとひきしめらるほどの、ひたすらな古人の純粋さに感心せずにはいられません。今は永い風霜にいたんだ石造遺品にすぎないとしても幾百年か前の先霊供養を志して、造立悲願をかけた人々の心に参入し、静かにこうべを垂れ、しばらくその昔に思いをめぐらすほどのことがあってほしいものだと思います。ともあれ、色はさび、姿は風化して趣きとみに深いこの石仏を風変りで珍しい石仏群に一度触れてみてください。

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